「ホームページ制作10万円」に飛びつく前に
「ホームページ制作 格安」「WEB制作 安い」で検索すると、驚くほど低価格を打ち出した制作会社が大量に表示されます。「5ページで10万円」「月額9,800円でホームページ運用」「初期費用0円」。予算の限られた中小企業にとって、これらの価格は非常に魅力的に映るでしょう。
しかし、安いものには必ず理由があります。そして、WEB制作の場合、その「理由」がビジネスに深刻な影響を与えることがあります。
この記事では、格安WEB制作の裏側で何が行われているのかを解説し、ホームページに投資すべき本当のポイントと適正価格の考え方をお伝えします。
格安WEB制作の裏側
10万円前後の格安WEB制作では、実際にどのようなサイトが出来上がるのでしょうか。その内部構造を見ていきます。
テンプレートの流用
格安で制作できる最大の理由は、テンプレートの使い回しです。WordPressの無料テーマや安価な有料テーマをベースに、ロゴと色とテキストを差し替えるだけ。デザインのオリジナリティはなく、同じテンプレートを使った他社のサイトと見分けがつかないこともあります。
テンプレート自体が悪いわけではありません。問題は、テンプレートの選定が「クライアントの事業に最適かどうか」ではなく「制作会社が使い慣れているかどうか」で決まることです。飲食店も税理士事務所も同じテンプレートで作られる。ページ構成も導線も、業種ごとの最適化が行われていません。
SEO対策が施されていない
格安制作の多くは、見た目のデザインとコンテンツの流し込みで終了します。内部のSEO対策(タイトルタグの最適化、メタディスクリプションの設定、見出し構造の整理、画像のalt属性、サイトマップの設定、ページ表示速度の最適化など)は、工数がかかるため省略されることがほとんどです。
その結果、サイトを公開しても検索エンジンからの流入がほぼゼロ。「ホームページを持っているのに誰にも見られていない」という状態に陥ります。存在しないのと同じです。
レスポンシブ対応が不十分
現在のWEBアクセスの70%以上はスマートフォンからです。しかし格安制作では、PC表示を基準に作り、スマートフォン表示はテンプレートの自動調整に任せるだけのケースが多い。
自動調整されたスマートフォン表示は、文字が小さすぎたり、ボタンが押しにくかったり、画像が画面からはみ出したりします。ユーザーの大半がスマートフォンで閲覧しているのに、その体験が劣悪であれば、集客どころか離脱の原因になります。
運用サポートがない
格安プランのほとんどは「制作して納品」で終了です。公開後の更新、修正、トラブル対応は別料金。サーバーやドメインの管理も自分でやらなければなりません。
WEBに詳しい社員がいない中小企業にとって、これは大きな問題です。サイトに不具合が発生しても、どこに相談すればいいかわからない。テキストの修正すら自分ではできない。結局、別の業者に有料で修正を依頼することになり、トータルコストは格安ではなくなります。
追加費用の構造
初期費用を安く見せて契約を取り、公開後に追加費用を積み上げるビジネスモデルも存在します。
- お問い合わせフォームの設置:3万円
- ブログ機能の追加:5万円
- SSL証明書の設定:2万円
- Google Analyticsの設定:2万円
- 写真の差し替え(1枚):3,000円
- テキスト修正(1箇所):2,000円
こうした追加費用が積み重なり、最終的には通常の制作費と変わらない、あるいはそれ以上のコストがかかることも珍しくありません。
ホームページの目的を見誤っていないか
そもそも、なぜホームページを作るのでしょうか。この問いに対する答えが曖昧なまま制作を進めると、価格だけが判断基準になり、格安業者に行き着きます。
「作ること」が目的になっていないか
「名刺に載せるURLがほしい」「取引先に聞かれたときに見せるものがほしい」。これくらいの目的であれば、格安制作でも問題ないかもしれません。しかし、多くの中小企業がホームページに本来期待しているのは「集客」です。
新規の問い合わせを増やしたい。求人応募を増やしたい。ネットからの売上を伸ばしたい。これらの目的を達成するためには、「ホームページを作る」ことではなく「ホームページで集客する仕組みを作る」ことが必要です。そして、仕組みの構築にはそれ相応の投資が必要です。
投資対効果で考える
ホームページの費用を「コスト」として捉えるか「投資」として捉えるかで、判断基準はまったく変わります。
10万円で作ったサイトから問い合わせがゼロであれば、10万円は純粋なコストです。一方、80万円で作ったサイトから月に5件の問い合わせがあり、そのうち1件が成約して月10万円の売上につながるなら、8ヶ月で投資回収できます。
制作費の絶対額ではなく、そのサイトがどれだけの売上や問い合わせを生み出すかという投資対効果で判断すべきです。
適正価格の目安と内訳
WEB制作の適正価格は、サイトの規模や目的によって大きく異なりますが、中小企業のコーポレートサイトであれば、以下が一つの目安です。
制作費の目安
- 名刺代わりのシンプルなサイト(5ページ程度) — 30万円〜50万円
- 集客を目的としたサイト(10ページ程度、SEO対策込み) — 50万円〜100万円
- ECサイトや予約機能付きのサイト — 100万円〜300万円
- 大規模なリニューアルや独自システム開発を含む場合 — 300万円以上
費用に含まれるべき項目
適正な制作費には、以下の作業が含まれているべきです。
- ヒアリングと戦略設計 — 事業理解、ターゲット分析、競合調査に基づくサイト設計
- オリジナルデザイン — テンプレートではなく、事業の特性に合わせたデザイン
- コンテンツ制作 — SEOを考慮した文章作成、写真撮影やイラスト制作
- 内部SEO対策 — タグの最適化、構造化データの設定、表示速度の最適化
- レスポンシブ対応 — スマートフォン・タブレットでの表示を個別にチェックし調整
- アクセス解析の設定 — Google AnalyticsやSearch Consoleの設定と初期分析
- 公開後の運用サポート — 修正対応、セキュリティアップデート、定期的なバックアップ
これらの項目が見積書に含まれているかどうかを確認することで、その制作費が適正かどうかを判断できます。
業者選びで失敗しないためのチェックリスト
格安の誘惑に惑わされず、本当に成果を出すWEB制作業者を選ぶためのチェックポイントをまとめます。
- 制作実績を確認する — 実際に制作したサイトを見せてもらい、デザインの質、使いやすさ、表示速度を自分の目で確認する
- 制作後の成果を聞く — サイトを作っただけでなく、そのサイトがどのような成果を出したかを具体的な数字で説明できるか
- 見積もりの内訳を確認する — 何にいくらかかっているのかが明示されているか。「一式」で済まされていないか
- 公開後のサポート体制を確認する — 修正対応の範囲、費用、レスポンスの速さ
- 担当者の知識と姿勢を見る — 技術的な質問に対して的確に回答できるか。自社の課題に対して具体的な提案ができるか
- 契約条件を精査する — 最低契約期間、解約条件、著作権の帰属、サーバーの所有権
特に重要なのは「サーバーとドメインの所有権」です。格安のサブスクリプション型制作では、サーバーもドメインも制作会社名義になっていることがあります。解約するとサイトが消える、ドメインを持っていけないというトラブルは後を絶ちません。
まとめ
格安WEB制作には、テンプレートの流用、SEO対策の省略、運用サポートの欠如、追加費用の積み上げといった構造的な問題があります。ホームページの目的が「集客」であるなら、制作費の安さではなく、そのサイトがどれだけのビジネス成果をもたらすかという投資対効果で判断すべきです。
D'Lightでは、サイトを「作る」ことではなく「成果を出す」ことをゴールに据えています。事業の課題をヒアリングした上で、集客に直結するサイト設計を行い、公開後の改善運用まで一貫してサポートします。月商30万円の店舗を年商1億3,000万円まで成長させた実績は、「安く作る」のではなく「正しく投資する」ことの重要性を証明しています。WEB制作の費用対効果を見直したい方は、お気軽にご相談ください。
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